ネット銀行の日の由来
2000年10月12日、日本初のインターネット専業銀行「ジャパンネット銀行」(現在のPayPay銀行)が営業を開始しました。この出来事を記念して制定されたのが「ネット銀行の日」です。当時は「実店舗を持たない銀行」という存在が珍しく、多くの人が「本当に便利なのか?」「できることが限られるのでは?」と半信半疑でした。しかし今では、ネット銀行は私たちの生活に欠かせない金融インフラとなっています。
窓口に行かない時代へ
かつては口座開設や振込、公共料金の支払いなどで銀行窓口を利用するのが当たり前でした。ところが現在では、スマートフォンやパソコンから24時間365日、ほぼすべての取引が可能です。加えて、店舗維持費がかからない分、ネット銀行は振込手数料や預金金利の面で有利なことも多く、利用者の支持を集めています。
キャッシュレス社会とネット銀行
ネット銀行の普及は、キャッシュレス化とも深く結びついています。クレジットカードや電子マネー、QRコード決済など、日常の支払いは現金を使わずに完結できる場面が増えました。ユーザーの中には「現金を引き出すためにATMへ行くことがほとんどなくなった」という人も多いでしょう。現金依存度が下がる中で、ネット銀行はキャッシュレス社会の中心的な役割を担うようになっています。
ネット銀行がもたらした新しい金融の形
ネット銀行の登場は、単なる利便性の向上にとどまりません。実店舗を持たないことで、地方や海外に住む人でも平等にサービスを受けられるという点も大きな意義です。また、APIを活用した他社サービスとの連携や、FinTech企業との協力による新しい金融商品の誕生など、従来の銀行では考えられなかった発展も見られます。
これからの銀行の姿
「銀行は窓口で」という常識が崩れ、今やスマホの中に銀行が存在する時代。将来的にはブロックチェーン技術やデジタル通貨の発展によって、さらに新しい金融のあり方が生まれる可能性もあります。10月12日の「ネット銀行の日」は、そんな金融の進化を振り返り、これからの社会を考えるきっかけになる日といえるでしょう。

