9月10日は下水道の日──都市を支える見えないインフラとその課題

下水道の日の由来

9月10日は「下水道の日」です。もともとは1961年に「全国下水道促進デー」として制定され、2001年に現在の名称に改められました。台風や集中豪雨が多い時期にあわせ、下水道の役割を広く知ってもらうことを目的としています。私たちの生活に欠かせない水道と同じように、下水道は社会を支える重要なインフラなのです。

ゲリラ豪雨と下水道の役割

近年はゲリラ豪雨の増加により、都市部で道路が冠水したり、マンホールから噴水のように下水が吹き出す光景が見られるようになりました。下水道は雨水や生活排水を効率的に処理する仕組みですが、短時間に大量の雨が降ると処理能力を超えてしまうことがあります。このため各地で「雨水貯留施設」や「調整池」の整備が進められています。

老朽化というもう一つの課題

さらに深刻化しているのが、下水管の老朽化です。高度経済成長期に整備された下水道管の多くが50年以上経過し、ひび割れや漏水のリスクが高まっています。老朽化が進むと道路陥没などの事故につながりかねず、安心して暮らすためには計画的な更新・修繕が不可欠です。しかし財政的な制約や人材不足もあり、全国的に課題となっています。

私たちにできること

下水道の役割を理解することは、日常生活の安心にもつながります。たとえば、排水口に油を流さない、豪雨時に不用意にマンホール付近に近づかないといった小さな行動も大切です。見えない場所で働く下水道を守ることは、私たちの暮らしを守ることでもあります。

9月10日の「下水道の日」をきっかけに、都市の足元で社会を支えるこの大切なインフラに思いを寄せてみませんか。