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原爆の日が問いかける「記憶」と「継承」
1945年8月6日、広島に投下された原子爆弾は、街を一瞬で壊滅させ、数え切れない命を奪いました。この日が「広島原爆忌」として毎年記憶されるのは、ただの追悼ではなく、「二度と同じ過ちを繰り返さない」という誓いを新たにするためです。
平和記念公園では、毎年同日に平和記念式典が行われ、全国で多くの人々が黙祷を捧げます。しかし、被爆体験を語れる世代が少なくなる中、いま最も大切なのは「平和の願い」を次の世代にどうつなげていくか、ということではないでしょうか。
若い世代が語る「平和」
広島では中学生や高校生が、被爆体験を聞き取り、文章にまとめる活動を行っています。また、被爆者の証言をもとにアニメーションを制作したり、平和学習を通じて現代の問題と照らし合わせて考える取り組みも広がっています。
デジタル技術を活用したVR証言や、多言語対応の資料なども登場し、被爆体験の伝承は「見る」「聞く」から「感じる」方向へ進化しています。若い世代の手によって、平和のメッセージは新しいかたちで世界へ広がりつつあります。
「平和を願う」その気持ちを絶やさないために
私たちは平和な日常の中で、つい当たり前を当たり前として過ごしてしまいがちです。けれども、8月6日は静かに立ち止まり、これまでに流された涙や失われた命に想いを寄せる日であってほしいと感じます。
世代を超えて、形を変えながらも受け継がれていく「平和への願い」。それは、語り続ける人がいる限り、確かに未来へと届いていきます。
