生成AIが作成する画像は、もはや手を加えることなくそのまま公開できる品質に達しています。
しかし、その高精細で美しい画像はファイルサイズも大きく、そのままでは Web サイトの表示速度や閲覧時の通信量に影響を及ぼします。
画質をできるだけ維持しながら、軽量化も実現したい。さらに、極力手間をかけずに運用したい。
そんなとき、選択肢のひとつが WebP形式 です。
WordPressであれば、WebP に対応していない古いブラウザへの配慮もサーバー側で自動的に行ってくれます。
今回、こうした画像最適化を実際に試してみました。
高精細な生成AI画像、そのままでは重い
生成AIが生み出す画像は、手を加えなくても十分に高品質です。
しかし、PNGやJPEG形式で保存すると 1〜3MB を超えることも多く、そのままWebサイトに掲載すると ページ表示の遅延や通信量の増加 につながります。
画質を維持しつつ、手間なく軽量化したい
画像の品質をできる限り保ちつつ、ファイルサイズだけを削減したい。
手動で解像度を落としたり、圧縮ツールで画質を犠牲にする方法は避けたいところです。
可能であれば、自動的に最適な形式で配信できる仕組みを使いたいと考えました。
WebP形式という選択肢
WebP の特徴
- Googleが開発した静止画フォーマット
- PNGやJPEGと比較して、同等品質で 約30%〜80%の軽量化
- 現在の主要ブラウザ(Chrome、Edge、Safari など)はほぼ対応済み
WordPressの場合、プラグインを利用することで非対応ブラウザには自動的にPNGやJPEGを配信する設定 が可能です。
これにより、手動で画像形式ごとにタグを記述する必要はありません。
実際に WordPress で導入してみた
当社サイト(WordPress)で「EWWW Image Optimizer」 プラグインを利用し、WebP形式での画像配信を試してみました。
※「EWWW Image Optimizer」プラグインの導入方法や基本的な使い方については、詳しく解説している他の技術ブログや公式ドキュメントをご参照ください。ここでは、当サイトで試した内容と効果に絞ってご紹介します。
設定としては、以下のポイントが特徴的です:
設定項目 | 内容 |
---|---|
WebP変換 | 既存のPNG/JPEG画像からWebP版を自動生成 |
HTML変更 | 不要。記事や投稿内容は既存のまま |
ブラウザ対応 | サーバーがリクエストヘッダを判別し、自動配信 |
非対応ブラウザ | 自動的に従来形式(PNG/JPEG)を配信 |
効果検証
実際に検証したところ、以下のような効果が確認できました:
画像形式 | ファイルサイズ例 |
---|---|
PNG | 約1.96MB |
WebP | 約82.6KB |
表示品質はほとんど変わらず、ファイルサイズが約95%削減 されました。
HTMLソースを確認すると、画像の指定はこれまで通り PNG や JPEG のままでした。
<img src="example.png">
しかし、ブラウザのリクエストに応じて、実際にはWebP形式で自動的に配信 されていることが確認できました。
結論
生成AI画像のWeb活用には、「作る」だけでなく「効率よく届ける」工夫も重要です。
今回のWebP対応により、
- サイトのパフォーマンス改善
- モバイルユーザーの通信量削減
- SEO(検索エンジン最適化)対策
といった効果を、手間をかけずに実現 できました。
ひとまず、「高精細な生成AI画像も、Webで快適に届ける」 という目的は今回の仕組みで十分達成できたと感じています。