目次
成層圏とは何か?
私たちが暮らす地上からおよそ10km〜50km上空には「成層圏」と呼ばれる空気の層が広がっています。気象学者テプリッツによって1902年6月8日にその存在が発見されました。それまで地球の大気は一様に広がっていると思われていましたが、この日を境に「大気にも構造がある」という新たな視点が生まれたのです。
成層圏の役割と特徴
成層圏は、対流圏の上に位置し、気温が高度とともに上昇するという特異な性質を持ちます。これは、成層圏内にあるオゾン層が紫外線を吸収し、その際に熱を発するためです。このオゾン層こそが、太陽からの有害な紫外線を遮り、私たちの生命を守ってくれています。
また、成層圏は安定した気流を持つため、超音速旅客機(例:コンコルド)や高高度気球、気象観測機器などが運用される空間でもあります。さらに、成層圏への理解は気候変動や環境問題の研究にも欠かせない要素となっています。
なぜ「記念日」として重要なのか
科学の進歩には「目に見えない世界」に目を向ける姿勢が不可欠です。成層圏の発見は、その象徴とも言える出来事。気象観測の精度が飛躍的に高まり、地球環境の理解も深まりました。
今なお研究が続く宇宙や地球の成層構造。その入り口とも言える「成層圏」の存在に、100年以上前に気づいた科学者たちの洞察に感謝しつつ、この日を「空へのまなざしを深めるきっかけ」としてみてはいかがでしょうか。
