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灯台記念日とは
11月1日は「灯台記念日」。この日は、明治元年(1868年)に日本で最初の洋式灯台、観音埼灯台(神奈川県横須賀市)の建設が始まったことを記念して制定されました。海上交通の安全に欠かせない灯台は、現代でも日本の海を静かに見守り続けています。
洋式灯台誕生の背景
それまで日本にあったのは「常夜灯」と呼ばれる素朴な灯りでした。港や岬に設けられた石灯籠や木の柱の上に油皿を置き、火を灯すというもので、地元の人々や寺社が油代を寄付して維持していました。しかしその光は弱く、遠くまで届かないため、夜間航行の安全を十分に守ることはできませんでした。
明治維新を迎えた日本は、開国とともに外国船の航行が増加し、安全確保のために近代的な灯台建設が急務となります。そこでイギリス人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンが招聘され、全国に次々と洋式灯台が築かれていきました。その第一歩が観音埼灯台です。
灯台がもたらした明るい未来
観音埼灯台の点灯は、日本の近代化を象徴する出来事でもありました。海の道を安全に導く光は、やがて全国に広がり、100基以上の灯台が海岸線を照らすようになります。これにより、貿易や海運の発展が進み、日本の経済成長を支える大きな基盤となりました。
現代の灯台とその役割
今ではGPSやレーダーなどの航行支援システムが発達しましたが、灯台は依然として重要な存在です。その光は船だけでなく、人々に「安全」「信頼」「希望」の象徴として愛されています。毎年11月1日には、各地の灯台で一般公開や記念イベントも行われ、海を見守る灯の存在に感謝を捧げる日となっています。
灯台記念日は、過去から未来へと光をつなぐ日。暗闇の中に道を示すその明かりのように、私たちも誰かの道しるべになれるような存在でありたいものです。

