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世界翻訳の日とは
9月30日は「世界翻訳の日(International Translation Day)」です。この日は、4世紀に聖書をラテン語へ翻訳した聖ヒエロニムス(ジェローム)の命日にちなんで制定されました。彼は「翻訳者の守護聖人」とも呼ばれ、言葉の壁を越えて知識と信仰を広めた功績から、国際的に記念されています。1991年には国際翻訳者連盟(FIT)が公式に「翻訳の日」と宣言し、2017年には国連によって国際デーとしても採択されました。
翻訳が果たす役割
翻訳は単なる言葉の置き換えではなく、文化や価値観を理解し合うための架け橋です。文学作品の翻訳によって異国の物語に触れることができ、学術翻訳によって新しい知識や技術が世界中で共有されます。また、映画やドラマの字幕・吹き替えも翻訳の成果であり、世界中の人々が同じ作品を楽しめるのは翻訳者の努力のおかげです。
デジタル時代の翻訳
現代ではAI翻訳やオンライン辞書の発展により、言葉の壁はますます低くなっています。しかし一方で、人間の翻訳者にしかできない「文化的ニュアンス」や「文脈の解釈」が依然として重要です。機械翻訳が便利になればなるほど、人の感性を活かした翻訳の価値も見直されています。
翻訳の日に考えたいこと
この日をきっかけに、私たちは「言葉のちがい」が分断ではなく多様性の象徴であることを意識することができます。翻訳を通じて世界は広がり、互いの文化を尊重し合えるのです。もし好きな海外の作家や作品があるなら、その背後には必ず翻訳者の存在があることを思い出してみてください。
翻訳の日は、私たちが世界を理解し、つながるために不可欠な営みを讃える日です。

