6月28日は貿易記念日──日本が開いた国際貿易の扉

江戸から明治へ、開港の一歩

6月28日は「貿易記念日」です。これは1859年（安政6年）のこの日、江戸幕府が横浜・長崎・函館の3港で自由貿易を開始したことに由来しています。かつて鎖国政策をとっていた日本が、国を開き、諸外国と本格的な通商を始めた歴史的な節目として記念されている日です。

当時、日本はペリー提督の来航を契機に、日米修好通商条約などの不平等条約を締結し、次第に開国へと向かっていきました。その中で横浜・長崎・函館が外国との交易の窓口となり、日本にとって初めての国際貿易がスタートしました。

貿易がもたらしたもの

自由貿易の開始により、欧米の技術や思想、生活文化が日本へと流入し、それは明治維新以降の近代化の大きな原動力となりました。また、日本からも生糸や茶などが輸出され、経済活動の広がりが新たな産業の発展を促しました。

しかし同時に、当時の不平等条約により日本は関税自主権を持たず、主権の制限という問題にも直面します。このような歴史を踏まえることで、現代の国際関係や貿易体制の背景を理解する助けにもなるでしょう。

現代に続く貿易の意義

現在も日本は貿易立国として、世界各国と活発な経済交流を続けています。自由貿易協定（FTA）や経済連携協定（EPA）などを通じて、国際社会とのつながりを深めています。

貿易記念日は、そんな国際経済の歴史と重要性をあらためて考える機会として、現代に生きる私たちにも大きな意味を持つ日なのです。