目次
日本初の科学的発掘の記念日
6月18日は「考古学出発の日」として知られています。この日は、1877年（明治10年）にアメリカの動物学者・エドワード・S・モース博士が、大森貝塚の発掘調査を開始したことに由来します。大森貝塚は現在の東京都品川区と大田区にまたがるエリアに位置し、日本で最初に本格的な考古学的手法が用いられた発掘現場です。
モース博士と大森貝塚
モース博士は来日直後、横浜から新橋への鉄道の車窓から貝塚を発見しました。彼はそれに強い興味を持ち、すぐさま発掘を開始。このとき、ただ土を掘るだけではなく、丁寧な記録と分類、スケッチを伴う“科学的発掘”を実施したことが画期的でした。これにより、大森貝塚からは縄文時代の生活跡や土器、骨などが数多く見つかり、日本人の祖先の生活を知るうえで貴重な資料となりました。
日本考古学の礎を築いた日
それまで日本では、古墳や遺跡に対する研究はあったものの、体系的・科学的な調査は未発達でした。モース博士の手法は当時の日本人学者に大きな影響を与え、後に多くの学者たちがその方法を取り入れて、日本独自の考古学が発展していきました。
考古学の意義を改めて見直す
現代では考古学の技術は飛躍的に進歩し、ドローンや3Dスキャン、DNA解析なども使われるようになりましたが、その礎となったのが大森貝塚での調査です。6月18日には、私たちの文化や歴史を掘り起こし、未来へと繋げる「考古学」の意義を改めて考えてみてはいかがでしょうか？
