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土壌に注目が集まる理由
12月5日は、国連食糧農業機関(FAO)が制定した「世界土壌デー」です。普段あまり意識されませんが、私たちが食べる野菜や穀物、森林の生態系、そして水の循環に至るまで、土壌はあらゆる生命の基盤となっています。この記念日は、自然にとって欠かせない“土”の価値を見直し、保全への理解を広げるために作られました。
実は「有限」な資源である土
土は無限にあるように見えますが、土壌は一朝一夕に生まれるものではありません。岩が長い時間をかけて風化し、そこに生物の活動が加わって、ようやく肥沃な土壌になります。その形成には数百年から数千年といった気の遠くなるような時間がかかります。しかし、開発や過剰な耕作、不適切な土地利用などによって、土壌は急速に失われつつあります。守るより失うスピードの方が圧倒的に早いのです。
私たちができること
では、土壌を守るために私たちは何ができるのでしょうか。たとえば、食品ロスを減らすことは、生産に必要な土地への負荷を減らすことにつながります。また、地域での植樹活動や自然保護イベントへ参加することも、一人ひとりができる実践的な行動です。都市に住んでいても、ベランダ菜園やコンポストを通して土の循環を身近に感じることができます。
見えない働きを想像する日
世界土壌デーは、普段は足元にあるだけの存在にスポットライトを当てる日です。自然環境の一部としてだけでなく、食卓や暮らしを支える基盤として「土のありがたさ」を感じるきっかけになります。12月5日、身近な自然に少しだけ目を向け、私たちの生活がどれほど土に支えられているか思い出してみませんか。

