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年賀郵便特別扱いが始まる日とは
12月15日は、年賀状を元旦に確実に届けるための特別な取り扱いが始まる日です。この日を境に、全国の郵便局では仕分け体制が強化され、年末の郵便業務が一気に慌ただしさを増していきます。日本特有の年賀状文化を支える大切な区切りの日といえます。
年賀状文化のピークと社会的風景
年賀状のピークは2000年代初頭。毎年の発行枚数は数十億枚に達し、郵便局では追加スタッフが大量に動員されるほどでした。深夜まで続く仕分け作業、特別体制のトラック輸送、局内の山積みの年賀はがき――まさに年末の風物詩でした。年賀状は「一年のつながりを確かめるための必須行事」として、多くの人の生活に根付いていました。
メール・SNSの普及による変化
しかし、メールが一般化し、スマートフォンを誰もが手にするようになると、新年の挨拶の形も変わり始めます。写真や動画を手軽に送れるようになり、SNSでは一度に多くの人へメッセージを届けられるため、年賀状のやり取りは急速に減少していきました。ピーク時と比べると、現在の取り扱い数は大幅に縮小していると考えられます。
それでも残り続ける「手書き」の魅力
デジタルに押されているとはいえ、手書きの年賀状には独自の温かさがあります。筆跡や紙の質感、相手のためだけに文字を綴る時間は、デジタルでは代替しきれない特別な体験です。そのため「だからこそ年賀状を続けたい」という声も根強く、アナログの価値が静かに見直されつつあります。
年賀状が映す時代の流れ
12月15日は、年賀状の文化が築いてきた歴史を振り返ると同時に、新年の挨拶がどのように変化してきたかを考える機会でもあります。変わりゆく伝統と、変わらない想い。その両方を感じられる記念日なのです。

