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カメラ史に刻まれた革命の日
1977年(昭和52年)の11月30日、コニカ株式会社が発売した「コニカC35 AF」は、世界で初めて“オートフォーカス(自動焦点)”機能を搭載したカメラとして登場しました。それまでピント合わせは撮影者の腕に委ねられていましたが、この革新的な技術によって誰でも簡単に美しい写真が撮れるようになり、カメラの常識が一変したのです。
誰でも「ピントが合う」時代の始まり
当時のオートフォーカスは、今のように高速かつ正確ではなく、赤外線を使ったシンプルな仕組みでした。それでも、その手軽さと確実さから爆発的な人気を博し、写真撮影の裾野を一気に広げました。「ピントを外す失敗」が減ったことで、家族写真や旅行の記録など、より多くの人が写真の楽しさを感じられるようになったのです。
現代へ受け継がれるオートフォーカス技術
現在のカメラやスマートフォンには、顔認識や瞳AF、被写体追従など、当時では想像もつかない高度なオートフォーカス技術が搭載されています。その原点が「コニカC35 AF」であり、11月30日はまさに“写真の民主化”が始まった記念すべき日といえるでしょう。
カメラに込められた「思い出を残す」力
オートフォーカスの登場によって、カメラは専門家の道具から、家族や友人との思い出を残すための身近な存在へと変わりました。今も私たちがスマホで簡単に撮影できるのは、この小さな技術革新の延長線上にあるのです。

