目次
税関のはじまりと「税関記念日」の由来
1872年(明治5年)11月28日、日本政府は当時「運上所」と呼ばれていた輸出入管理の役所を、正式に「税関」と改称しました。この日を記念して制定されたのが「税関記念日」です。税関の誕生は、日本が近代国家として国際貿易を本格的に始める節目でもありました。当時の日本は、開国から間もなく、外国との貿易が急速に拡大していた時期です。そこで、輸出入品の取り締まりや関税の徴収を統一的に行うための組織として、税関が重要な役割を担うようになりました。
税関の役割──「関税」と「安全」の守り手
現代の税関は、単なる貿易の窓口ではありません。海外から輸入される商品に課される「関税」の徴収だけでなく、麻薬・銃器・偽ブランド品・環境汚染物質などの不正輸入を防ぐという、国の安全保障にも関わる大切な仕事をしています。また、輸出品の適正な審査を通して、日本企業が世界市場で公正に取引できる環境を守ることも、税関の重要な使命です。
私たちの暮らしと税関のつながり
「税関」と聞くと、空港の荷物検査や通関手続きのイメージが強いかもしれません。しかし、実は私たちの身近な生活にも深く関わっています。例えば、海外で買った商品を持ち帰るとき、あるいはネット通販で輸入品を購入するとき、その裏側で税関がきちんと審査を行い、安心して物が届く仕組みを支えています。
11月28日の「税関記念日」は、国際社会と日本の架け橋として日々働く税関職員の努力に、改めて感謝を向ける日といえるでしょう。

